1、はじめに


本記事では、録画面接を始める企業様向けに「面接作成のポイント」や「質問例」を解説いたします。

下記の項目を満たす面接を作成することがゴールです。


  • 応募者に感謝の気持ちを伝えていますか?
  • 自己紹介やフロア紹介など、魅力づけにつながる質問動画になっていますか?
  • 質問は明瞭ですか?
  • 短い回答で良い質問の場合、目安の秒数を伝えていますか?
  • それぞれの質問で評価したいポイントは明確に設定できていますか?
  • 質問は平易なものから徐々に難しくなるよう設定できていますか?
  • 質問は評価ポイントを見極められるようなものになっていますか?


2、録画面接の注意点


録画面接には、対面・オンライン面接と異なり注意すべきポイントが3つ存在します。



2-1. 企業側からの情報提供・魅力づけを意識する


対面・オンライン面接では「企業と候補者がそれぞれ入社の可否を判断できる状態」がゴールであるのに対し、

録画面接では応募者側が受け取れる情報に制限があります。



この情報の非対称性を緩和するために、企業側からも情報提供するよう心がけましょう。


ビデオインタビューには、応募者に質問する際テキストだけでなく動画も添付することができます。

動画の内容として以下を意識すると、応募者への魅力づけや企業理解に繋がります。


感謝の気持ちを伝えること(例:この度はご応募いただき、ありがとうございます。)
名前を伝え、簡単に自己紹介をすること(例:初めまして、〇〇株式会社の△△と申します。)
オフィスで撮影し、フロアなどを紹介すること(例:こちらが入社後に働くオフィスです。)


2-2. 質問は明瞭・具体的に


録画面接では、対面の面接と異なり、応募者が設問の意味を理解できなくても質問することができません。

応募者に曖昧な回答をさせないためにも、「何を答えればいいか」がハッキリと分かるような設問を作成しましょう。




2-3.目安の秒数がある場合は伝える


ビデオインタビューの回答時間は一律1.5分ですが、簡単に答えてもらいたい設問の場合は「〇〇について、30秒程度でお教えください」と目安の秒数をお伝えください。

質問に対して適切な回答時間が設定されることで、簡潔明瞭な回答が得られやすくなります。


3、面接作成


3-1.前提


録画面接が得意なのは「見えやすい特徴」の把握

面接で得られる情報には、「応募者の見えやすい特徴」と「応募者の見えにくい特徴」があります。




録画面接が得意なのは、見えやすい特徴を効率的に把握すること。

これらの見極めを目的に面接を設計しましょう。


「資質・性格・価値観」といった見えにくい特徴については、

適性テストや対面面接で補強することで精度が上がります。


3-2.面接作成の流れ


実際に面接を作成していきましょう。


STEP1. 評価ポイントを明確にしましょう


まずはじめに、録画面接で見極めたい「評価ポイント」を決定しましょう。

評価ポイントは「面接内容の設定」ページで作成できます。




下記の図の「評価材料」を参考に、選考で重視している項目を評価ポイントとして設定しましょう。






STEP2.見えやすい特徴順に評価ポイントを並び替えましょう


STEP1で設定した評価ポイントを、図の通り「見えやすい特徴」順に並び替えましょう。




この後並び替えた順番に質問を作成していきますが、

この順序で質問が進むことで、質問の難度を徐々にあげることができ自然な印象を与えます。




STEP3.評価ポイントに沿った質問を作成しましょう


最後に、それぞれの評価ポイントに沿って質問を作成していきます。

質問数は多過ぎると応募者の離脱につながるため、3問程度を目安にしてください。


下記の質問例を参考に設定してみましょう。





3-3.質問例


「礼儀・マナー」「雰囲気」など印象・態度を図る質問


この設問の目的は、候補者の印象・態度を把握すること。設問は平易で回答に困らないものにすることが大切です。



あなたのお名前と、これまで在籍した会社名を30秒程度でお教えください。
あなたのお名前と、自己PRを30秒程度でお教えください。


「職務経験」「前職での成果」など職務適性を図る質問


職務適性を見極めるために、応募者の「具体的な経験」を確認していきます。

質問を工夫することにより「過去の事実」や「エピソード」にフォーカスして、より詳細な情報を引き出します。



これまでの会社ではどのような業務を担当されていましたか?ご自身での仕事の工夫も合わせて教えてください。
これまでの会社ではどのような業務を担当されていましたか?その際、誰と協力しながら業務を進めていたかも合わせてお教えください。
これまでの会社ではどのような業務を担当されていましたか?掲げていた目標と合わせてお教えください。
業務を通じて最も努力してきたことは何ですか?具体的なエピソードがあれば、合わせて教えてください。


POINT:印象ではなく、「事実」で判断


録画面接は、画面越しの限られた情報で応募者を判断することになります。

そのため、応募者の特徴に引きずられたり、評価が歪められる『ハロー効果』と呼ばれる現象を引き起こす可能性が高まります。

コミュニケーション能力の高い人を過大評価してしまう。画面が少し暗い、カメラの位置が悪いだけで暗い人という印象を持ってしまう、といった可能性も。

この設問で見極めたいのはあくまで「職務適性」であるため、印象ではなく、事実(実際の行動)を元に判断することで適切な見極めができます。




「退職理由」「志望動機」など仕事観を聞く質問


応募者の仕事観を探るためのこれらの質問では、見極めの材料だけでなく、今後の面接で自社の魅力づけを行なう際の有益な情報になります。


応募いただいた仕事とこれまでの仕事の違いはどのような点にあると思いますか?
なぜ今、転職を考えていらっしゃるのでしょうか?
当社で働くことで、どのような目的を達成したいとお考えですか?
会社選びであなたは何を重視しますか?



「性格」「価値観」など社風への適合性を見極めるための質問


氷山モデルの隠れている部分である「資質・性格・価値観」を聞く質問です。

自社の社風や、一緒に働く社員たちとマッチするかの判断が可能です。

スキルはあっても、性格が配属部署のメンバーと合わない、というイメージがわいた場合は要注意です。


ご自身の強みは何ですか?その強みを、当社の仕事のどういったところに活かせると思いますか?
これまでの人生において挫折したことは?その時、どう対処しましたか?
働く上で、あなたのモチベーションを高めるものは何ですか?また、何があなたのモチベーションを下げますか?
ご自身の長所、改善すべき課題をそれぞれ教えてください。また、課題を克服する為に行なっていることはありますか?





4、まとめ


最後に本記事のまとめとして、作成した面接をチェックポイントで確認していきましょう。

本記事がより良い録画面接の一助となれば幸いです。


  • 応募者に感謝の気持ちを伝えていますか?
  • 自己紹介やフロア紹介など、魅力づけにつながる質問動画になっていますか?
  • 質問は明瞭ですか?
  • 短い回答で良い質問の場合、目安の秒数を伝えていますか?
  • それぞれの質問で評価したいポイントは明確に設定できていますか?
  • 質問は平易なものから徐々に難しくなるよう設定できていますか?
  • 質問は評価ポイントを見極められるようなものになっていますか?